旅行日記100327

朝食兼昼食として、ケバブを食べる。
ものすごい量。
秋葉原とかにあるケバブバーガーも、たいがい凄い量だと思いましたけど、こちらのはさらに桁が違う。
居酒屋プレートサイズの皿の上に、ライスが敷き詰められ、その上にびっしり何層にもなった分厚いラム肉が乗せられている。
さらに、大量のポテトとサラダ。
これだけ付いて850円くらい。
悲鳴あげそうになりました。

CIMG1769gaumont operaで、クレール・ドゥニの最新作『white material』を。
土曜日の朝なのに、そこそこお客が入ってる。
ホテル近くの本屋さんとか入ってもそう思いますが、こっちはやっぱ、基本的な教養レベルが日本とあまりにも違う気がするなあ。
小さな街の、別に有名でもない普通の本屋さんなのに、品揃えがものすごく知的で洗練されていて、没後50年のカミュ特集なんかがあったり、壁にマグリットの「これはパイプではない」がかけられていたりして、で、しかもそんな店にお客さんがちゃんとたくさん入っていて、みんな女性店主さんから本のアドヴァイスを受けつつあれこれ買っていったりする。
商売として成立してます。
文化とか芸術が、ここでは当たり前に根付いてますね。

ドゥニの新作、何の情報もなしに見たら、意外に豪華キャストでびっくりする。
イザベル・ユペール、クリストフ・ランベール、イザック・ド・バンコレ、ミシェル・シュボールなど。
ドゥニお得意の題材(黒人、アフリカ、軍隊、肉体、狂気、ディスオーダーなどなど)で、とても面白い。
撮り方としては、ネットリ系ではなくザックリ系。
すばらしかったです。
面白い。

CIMG1777メトロで、パリの端っこビブリオテークまで移動。
ここにあるMK2ビブリオテークという映画館のDVDショップがオススメであるとの情報をゲットしていたのです。
ティム・バートンの『不思議の国のアリス』公開近しということで、パリのあちこちでフェアが行われてましたけど、ここではさらに、そのうちの一冊を描いたイラストレーターさんがサイン会をしてました。
眼鏡に半ズボンの、それっぽい出で立ち。
まわりに、大量のゴスロリコスプレイヤーが群がってます。
そっか、いるいるとは聞いてましたが、フランスでもこうした人たちはやっぱこういう場所に集まってくるんですね。
基本、群れで行動するあたりもそっくり。
周囲の人と目が合わないのもそっくり。
自分たちだけの世界で自足してる。

CIMG1783ああ、そうそう。
こっちは、街を歩いていて、見知らぬ人同士でも普通にアイコンタクトとかあるんですよ。
あ、ごめん、とか。
ありがとう、とか。
夕立すごいね、濡れちゃったね、とか。
日本じゃあり得ないですからねえ、こういうの。
知り合い以外、人間としてみなさないのが、我が国の流儀です。
だから、人がたくさんいればいるほど、日本ではただ不快指数が上がっていくだけ。
フランスとかだと、どんなに大勢の人がいても、個々の人格と人間性がそれぞれきちんと確立されているので、単なる顔のない群衆になってしまうことがないように思います。
ま、ゴスロリ軍団は別として、ですが。

DVD、たくさんあって目移りする。
テシネ、フェラーラ、ホセ・ルイス・ゲリン、ミレール、シオドマクその他その他。
大量に購入しました。

メトロで、3日連続のポンピドゥーへ。
いろいろ情報を教えてくれたTさん、そしてTさんのお友達で映画ジャーナリストのSさん…、と書いていて、よく考えたら、先日のIくんとは違って、彼女たちはちゃんとお仕事されている方々であり伏せ字にする必要ないなと気付いたのでこの後はそうすることにしますが、つまり、田中さん、佐藤さん、そして映画評論家でシネマークに勤務もしているマチュー・オルレアンさんをあわせた4人でお茶をしました。

映画の話、パリの話、東京の話。
マチューさんは、5月に東京に行くとのことで、その話もあれこれ聞きました。
月曜日にシネマテークに行く予定だと話したところ、いろいろ内部を案内してくれる、とのこと。
深く感謝!

それにしても、田中さん、佐藤さん、そしてマチューさんの全てがそうですし、また、こちらに来てからずっと思っていましたが、みなさん、自分の趣味や好み、意見をきちんと持っていて、それを衒いなく正面から主張することができるばかりか、そうした上で、自分とは違う意見を持つ他人の話に対してもきちんと聞く耳を持つ人たちばかりです。

これ、大人の人間として、本来当たり前の前提でなくては困るものですけど、それがねえ…、日本だとまあできない人たちばかりですからねえ。
Hさんがこう言った、Kさんがこう言った、Aさんがこう言った、となると、そうしたフレーズばかりが神経症的に行き交って、同じような意見を少し言葉を変えて繰り返すような人たちばかりな気がします。

もちろん、こうした人たちの意見はとても面白いし、絶対に聞いておくべきだとは思いますけど、それは同時に、単なる一つの意見に過ぎない訳じゃないですか。
ところが、あたかもそれに逆らう者は映画の魂が理解できないと宣告でもされるかのように、誰もが同じようなことばかりを口々に呟き始める。

それ、楽しい?
まあ、楽しいんでしょうね。わたしは全然楽しくないけど。

あるいは逆に、映画の好みは人それぞれだと、みんな違うんだと、上から断定的に決めぜりふを口にして、それで終わりにする人たちとか。
いや、それ、思考停止じゃん。
それじゃ、ファシズムの裏返しに過ぎないよ。

それぞれ違うのは当然なんだから。
お互いの違いを了解して、その上で、どこが違っているのか、自分の意見は相手に対してどのような立場になるのか、逆に相手の意見に傾聴すべき部分はあるのか、こうしたことを見極めつつ、冷静に意見をやりとりをするのがコミュニケーションってものだし、議論ってものだし、意見の交換ってものだし、映画について何か言うってことだし、批評ってものじゃないですか。
違うからこそ、その違う相手にどうやって自分の意見を主張するか、説得するか、反論するか、同意するか、これを考えるのが楽しいわけです。

誰かの趣味や意見に盲目的に付和雷同しなければ映画の魂が分からないとでも言うのであれば、わたしはそんなもの分からなくて大いに結構!
映画愛とか映画の魂とか、ホント、この国ではファシストたちの都合良い道具として使われちゃってるよなあって、しみじみ思いますよ。

近所のレストランでフレンチをディナったのち、帰宅。
ようやく食欲も出てきました。

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