旅行日記100330

CIMG1915いよいよ、明日が旅の最終日。
出歩けるのは、今日が最後です。
居心地良いのになあ。
こんなに楽しいのに。
何より、ここでは街を歩いていて、人間の感触があるのが良いです。
人の顔が見える。
東京だと、顔のない悪意とか嫌悪とか、せいぜい無関心にばかり囲まれている印象だもんなあ。
外に出るだけでストレスたまる。
そりゃ、引きこもりも増えるでしょうよ。
あんな街じゃ。

CIMG1922メトロでリュー・デュ・バック駅まで。
そこからサン・ジェルマン・デ・プレ大通りを歩く。
大学や有名な教会の横を通る。
当然のように、学生が多い。
街の雰囲気もそんな感じ。
本屋、カフェ、服屋などたくさんある。
古本屋もあって、安かった。
教会横には、白いテントの露店が立ち並んでいました。
腕時計とかアクセサリー、パンなどを販売。
あまり良いものはなかった。

CIMG1944ビュシー通りへ。
ランボーの家があったらしい住所のカフェでランチ。
チキンのなんちゃら風と野菜炒め。
皿が熱くて、ウェイターのお兄さんが苦労する。
ここって、ランボーが住んでたんですか?と聞いてみるものの、知らないとの返事。
まあ、別にどうでもいいんだけど。

昼食後、さらに足を伸ばしてクリスティーヌ通りへ。
この通りにある、アクション・クリスティーヌという映画館が今日の目的地。
昼間から昔のアメリカ映画ばかりを上映しているという、パリならではの映画館の一つです。
こういうのが羨ましいんだよなあ。

CIMG1951平日2時からの上映だが、こちらもお客さんがまあまあ集まってる。
上品な老婦人が一人で静かに映画を見に来ていたりして、はっとさせられたりもしました。
サングラスかけてたりして、ただ者じゃない雰囲気。
この日の上映は、1番でマイケル・カーティスの『情熱の狂想曲』Young Man With a Horn、2番でマックス・オフュルスの『魅せられて』Caught。
『魅せられて』は何度か見ていたので、マイケル・カーティスを選ぶ。

カーク・ダグラス、ドリス・デイ、ローレン・バコール、ホーギー・カーマイケルと、実に豪華なキャスト。
孤独な少年がトランペットと黒人ミュージシャンのおかげで自分の生き方を見つけるが、やがて悪女に捕まって誤った道に進んでしまう…、
といった感じ。
まあ、カーク・ダグラスものにありがちでしょうか。
何度か裸になって体を見せつけるんだけど、トランペット奏者とは思えない立派すぎる筋肉に笑う。

CIMG1954出来は、まあまあ。
普通に淡々と進行していくだけで、これって場面がないんだよなあ。
ただ、超セレブで、自分にはいろんな才能があると思い込んであれこれ挑戦するものの、どれ一つとして突き詰めることができない女性の役をバコールが演じていて、これが実にはまり役。
自分にないものをカーク・ダグラスに感じ、嫉妬から彼と結婚して堕落させてしまう、という辺りも実に説得力ありました。
こういう人、いるよなあ。
バコール、そんな顔してるんだよなあ。
ああ、怖い怖い。

CIMG1960作品がどうという以上に、映画館の佇まいとか、集まってくるお客さんとか、そのありようの全てがとても素晴らしくて、ああ、今回のパリ滞在をこの映画館で締めくくることができて、本当に良かったとしみじみ思う。
名残惜しくて、上映終了後もしばらく映画館の周りをうろうろ。
壁に貼られていたチラシとかを眺める。
こういう映画館で、毎日いろんなアメリカ映画を見て過ごせたら幸せでしょうね。

来た道をそのまま帰り始める。
市場の方にも、少し寄り道してみる。
途中、いきなり雨脚が強まり、雷を伴った豪雨となる。
たまらず、カフェで一服。
一人で座っていた女性に目で挨拶して、その隣に座る。
服を乾かしつつ、しばらくそこで座っていると、さらにそのもう一つ隣に中年の男性がやってきて、座ったな、挨拶したなと思うまもなく、いきなり隣の女性と話し始める。

CIMG1977テーブルの上に天文学の分厚い本を置いたその男性は、あきらかに初対面であるはずの女性に対して、もう、学問から政治からフランスの国家論から、ありとあらゆる内容を速射砲のようにまくし立てていて、いや、まあ、これだけなら日本でもたまにいると思いますよ、こういうおじさん、でも、この場面がそれと決定的に違っていたのは、隣の女性の方も、ペースこそ落ちるものの、たまに応答して自分の話をキチンと展開していたってところです。

すごいなあ。
こういうおじさんが世間から浮いちゃわないんだなあ。
フランスだなあ。
サン・ジェルマン・デ・プレだなあ。
ロメールの国だなあ。
初対面の男女が、雨宿りで立ち寄ったカフェの中でいきなり議論し始めちゃったり本当にするのか。
すっかり感心してしまいました。

CIMG1989いい国だ。
いや、いい国かどうか、本当は分かりませんけど、きっと観光客の目にはとまらないいろんな側面もあるのだろうとは思いますけど、でも、こういう部分は明らかに日本よりずっと良い。
学ぶべきところがたくさんあります。
と言うか、単純に羨ましい。

メトロでホテル近くの駅に着くと、すっかり雨が上がっている。
澄んだ空気の向こうにモンマルトルのサクレ・クール寺院がとってもきれいでした。

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can skip to the end and leave a response. Pinging is currently not allowed.

コメントをどうぞ

XHTML: You can use these tags: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>