映画日記110801

『レオニードの物語』 LEONIDS STORY (2011)
ライナー・ルドヴィグ

1980年代のプリピャチに引っ越してきた家族が、慎ましやかな夢と日常をその街で実現しようとする最中、チェルノブイリで起きた未曾有の原発事故に巻き込まれる。

映画は、スケッチやフォトコラージュ、記録映像などを通じて、彼ら自身の語りと共に事実の経過を淡々と再現していく。しかし、その静かな描写が、逆に事態の恐ろしさを私たちに強く印象づける。とりわけ現在の私たちにとって心穏やかに見られない現実がそこにはある。

PDVD_275『カメリアのない女』 La signora senza camelie (53)
ミケランジェロ・アントニオーニ

アントニオーニの劇場用長編映画第2作。処女作に続いてルチア・ボゼーが主演。彼女がこの世のものとは思えないほど美しいです。正直、アントニオーニ以上に彼女でジャケ買いしました(笑)。

映画界の内幕を描いたバックステージもの。ショップガールからプロデューサーに見初められ女優としてデビューした主人公が、やがて彼と半ば無理矢理結婚させられ、様々な出来事を経験する中で、大人として女優として自覚も芽生えるようになるが…という話。かなりシニカルで苦い映画だと思います。

バックステージものって良いよね。大好き。最近、この手の映画少なくて寂しいなあ。映画界やステージの舞台裏が一般庶民にとって憧れの世界ではなくなった事が大きいのかな。まあ、それはそうだろうけど、でも内幕ものって、それはそれで独特の世界だし魅力あるんだし。

購入したパッケージには、ブルーレイとDVDが2枚のディスクとして収められていたので、せっかくなので両方見比べてみたんですが、いやあ、すごいですね。ブルーレイ。こんな違うとは思わなかったなあ。背景の細部や看板の文字までクッキリ見えるので、場面の立体感や空気感、臨場感が全然違う。

アントニオーニのまだ初期作品ですけど、大勢の人々が行き交う屋内場面をしばしば長回しでじっくりとらえていて、その空間利用のダイナミックさや演出とカドラージュの複雑さに圧倒されました。スタジオシステムの地力の凄さとオリジナルなビジョンを備えた作家との高度な結合による、圧倒的な映画的達成がここにはあります。すごい。

PDVD_286それに加えて、若きルチア・ボゼーさまの奇跡の美貌ですよ!ドミニク・サンダの硬質な美に、イングリット・バーグマンの艶、ナタリー・ポートマンの清楚さを加え、さらにイタリア女性のグラマーさを足したとまで言えばそれは言い過ぎになるでしょうか。いや、そんなことあるまい!

右も左も分からない田舎娘から、カメラの前で奔放な演技を開花させる女優としての閃光、夫との諍いに飽きた妻の表情、さらには本当の意味で自分の人生を生きようとする大人の決意、希望、幸福、敗北、諦め…。いわゆる女優冥利に尽きるって役柄だと思いますけど、いや、それにしても美しい!

アントニオーニって、実は個人的にやや不幸な出会い方をした経緯があって、これまであまりその作品を好きになった記憶がないのですけど、いや、反省しました。やっぱ、すごい人だ。面白い!また、まとめて見直してみよう。

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