シネクラブ2008年秋

cineclub_2008秋2008年秋学期のシネクラブです。

横浜日仏学院シネクラブも、はじまってから間もなく丸五年が経過し、六年目に突入することになります。
それを記念して、来年一月には、少し大きなイベントを組みたいと考えているのですが、今学期のプログラムもまた、そのプレイベントのような感じで、かなり豪華なラインナップにしたつもりです。

タイトルは、「悪夢のような人生」と付けてみましたが、要するに、残酷な人生や世界にまつわる悲喜劇といった作品の特集。

人生は思い通りに行かないし、世界は私たちを押しつぶすことしか考えていないかのよう。そんな世の中に対して、私たちは一体どのように振る舞っていけば良いのでしょう?
もちろん、これは真面目な問いかけではありますし、真摯に取り組む必要のある問題です。
でも、真面目なばかりが正解にたどり着く最良の方法であるとは限らないのが、また、世の中の面白いところであったりはします。
と言うわけで、ときには、その極端な一つの例や、誇張された反応、人生に振り回される者に対する喜劇的なアプローチなどを通じて、わたしたち自身の肩の荷を下ろしてみることも必要なのではないでしょうか。

まずは、来週の10月4日(土)ですが、フランス映画界の巨匠ロベール・ブレッソンが、遺作となった『ラルジャン』の前に撮った作品『たぶん悪魔が』を上映します。
ブレッソンについては、シネクラブの講演の中でも何度も触れてきましたが、その作品をきちんと上映するのは、今回がはじめて。
ちなみに、ブレッソンは、わたしの卒論のテーマでした。
日本語字幕付き。

11月8日(土)には、クロード・シャブロルが73年に撮った傑作『血の婚礼』を上映。
シャブロルについては、当シネクラブで何度も大きく取り上げてきましたが、『石の微笑』の劇場公開および思いがけないヒットという成果も確かめつつ、まだまだ注目していきたいと思っています。
さらに、来年にはもしかしたら…、いやいや、これはまだ秘密。
日本未公開であるため、英語字幕での上映ですが、貴重な機会ですので、ぜひお越しください。
と言うか、シャブロルが70年代に撮ったこれらの傑作群がいまだに日本公開されていないというのは、やはり許し難い事態であるのではないかと。

そして、12月6日(土)には、いまやフランス映画界を代表する現役の巨匠の一人となったクロード・ミレールが監督した『魔女たちの部屋』を上映します。
テレビ用に撮られた作品ですが、その出来映えの素晴らしさから後に劇場公開され、ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞しました。
今回は、35ミリフィルムによる上映になります。
もちろん、今回の上映のために権利もプリントもフランスから購入しました。
日本で上映されるのは、おそらくこれがはじめてになる筈。
今後上映される可能性も、きわめて低いでしょう。
是非、この貴重な機会に、スクリーンでこの傑作をご覧ください。

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特集「悪夢のような人生」
平坦に見えた人生も、ちょっとしたきっかけで悪夢へと反転します。そして、悪夢のような人生には、悲劇的な側面もあれば、喜劇的な側面もあるのです。ブレッソン、シャブロル、ミレールという三人のフランスの巨匠たちは、うまく行かない人生に対して、あるいは、期待を裏切り続ける世界に対して、いったいどのような視線を投げかけているでしょうか?(大寺眞輔)

会員 : 600円
一般 : 1,200円
芸大生:無料(要予約)
場所 : 東京藝術大学 (横浜・馬車道校舎)大視聴覚室
お問い合わせ
横浜日仏学院(045-201-1514)

10月4日(土)18時
『たぶん悪魔が』
(フランス/1977年/93分/DVD/カラー/フランス語/日本語字幕付き)
監督・脚本:ロベール・ブレッソン
出演:アントワーヌ・モニエ、ティナ・イリサリ、アンリ・ド・モーブラン

ペール・ラシェーズ墓地で青年の死体が発見された。頭には2発の銃弾が撃ち込まれていた。他殺なのか?自殺なのか?
彼の名はシャルル。汚染、環境破壊、飢餓、戦争といった、世界を脅かす危険について友人らと議論を交わす青年だった。しかしシャルルはだんだんと虚無的になっていく。そして……。
現代社会を憂う青年たちの姿を感情を排して丁寧に描いた、ブレッソンの終末論的な作品。
1977年ベルリン国際映画祭 銀熊賞受賞作。
上映後、大寺眞輔による講演あり。

http://www.ifjtokyo.or.jp/agenda/evenement.php?evt_id=1137

11月8日(土)18時
『血の婚礼』
(フランス=イタリア/1973年/90分/DVD/カラー/フランス語/英語字幕付き)
監督・脚本:クロード・シャブロル
出演:ミッシェル・ピコリ、ステファン・オードラン

ロワール河流域の小さな町ヴァランセ。市長のポール・ドラマールは仕事で多忙な日々を送っている。妻リュシエンヌにはピエールという愛人がいる。二人は人目をさけ、森の中やヴァランセ城で密会を重ねていた。ある日ピエールの病気がちの妻が突然亡くなり……。
シャブロルらしい毒のあるコメディ。ステファン・オードランやミッシェル・ピコリをはじめとする俳優陣の息のあった演技。シャブロルの卓越した演出が光る。
上映後、大寺眞輔による講演あり。

http://www.ifjtokyo.or.jp/agenda/evenement.php?evt_id=1138

12月6日(土)18時
『魔女たちの部屋』
(フランス/2001年/83分/35ミリ/カラー/フランス語/英語字幕付き)
監督・脚本:クロード・ミレール
出演:アンヌ・ブロシェ、アニー・ノエル、マティルド・セニエ、イヴ・ジャック、エドゥアール・ベール

原因不明の頭痛が続き、体の不調で入院したクレールは、そこでオデットとエレオノールという二人の女性と同室になるが……。
デジタルカメラを用いて撮影されたテレビ映画シリーズ『Petites Cameras』の一作品。テレビ局 ARTE での放映後、劇場公開された。ストーリーに登場する「魔法」という要素が、新しい映像表現と融合した意欲作。風変わりな物語が笑いを誘う。
上映後、大寺眞輔による講演あり。

http://www.ifjtokyo.or.jp/agenda/evenement.php?evt_id=1139

 

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