独立映画鍋への疑問

独立映画鍋のサイトはこちら

それに対して、まず、Twitterでの@ONGAKU_NO_JIKANさんのツイート
https://twitter.com/ONGAKU_NO_JIKAN/status/228666843412459520
https://twitter.com/ONGAKU_NO_JIKAN/status/228666942041518081
https://twitter.com/ONGAKU_NO_JIKAN/status/228679248435638273
https://twitter.com/ONGAKU_NO_JIKAN/status/228680775984357376
https://twitter.com/ONGAKU_NO_JIKAN/status/228688899071950848

そして、これを受けてのわたしの発言が以下になります。

以上で引用した@ONGAKU_NO_JIKANさんの独立映画鍋に関するツイート、関係者の皆さんには耳が痛いでしょうが、ちゃんと届いて欲しいと思います。自分たちの姿勢や行動に対して別の立場からの意見や批判があったとき、単に全て黙殺してしまうのが映画界の悪い慣習の一つだと思うから。

そしてその態度は、ここで言われている「身内感」そして「他人事感」にも直結していると思う。つまり、この映画鍋が結局は閉ざされた小さなムラの出来事に過ぎず、そこに属さないが同様の興味を持つ別の人たちに取ってさえ何か他人事でしかないような=疎外された印象を与える佇まい。

それが大いに問題であるのは、独立映画鍋の掲げる設立趣旨の根幹が「多様性」を錦の御旗としていることからも明らかでしょう。多様性というのは、私の好きな多様性、私と趣味が合う多様性、私と志を同じくする多様性(それが多様性と本当に思います?)ばかりで成立するものではありません。

自分とは全く趣味や考えが違ったりもする様々な人々がドヤドヤ入ってきて、それぞれ好き勝手に個性や才能を発揮することを通じてのみ達することが出来るものこそ、多様性なんだと私は思う。

そしてそのために重要なのは「想い」の共有ではなく、システムの変更であり、新たなフォーマットでしかない。熱い想いを共有することで映画が救われるのであれば、それはとっくの昔に救われている筈ですよ。

もちろん、数日前にも書いたように映画は複合的なバランスによって現在の状態を保っている側面もある。熱い想いが無駄だとは言いません。でもそれだけだと駄目だってことも、みんな既に十分分かっている筈。

であれば、新たなフォーマットを作った上で、個別の問題として自分の責任でそこに後から自分の想いだの趣味だのムラの価値だの乗せればいいって話だと思う。つまり二つを一緒にしてはいけないし、その順番も違う。

今はまず、この困難な状況に置かれた中でそれでも映画の多様性を維持するためにどういう場所が必要か、それを考えるべきではないのか。

自分たちと関係ない得体の知れない若い子たちが、でも、ここで何か起こっているらしいぞ!とワクワクして、それぞれ自分たちの好き勝手な試みを展開させよう、個性や才能を発揮しようと集まってくるような場所であり仕組みであり魅力的なシステムの変容をまず生み出すべきなのではないだろうか。

@ONGAKU_NO_JIKANさんも書くように、独立映画鍋にはそのネーミングからして、若い人たちにとって魅力的な場所であろうとする発想が致命的に欠けているとしか思えないのです。

その上で、次に独立映画鍋はクラウドファンディングに賭け金の多くを置いていることを考えたい。それは、活動内容の1番目に置かれた項目でもある。しかし、独立映画鍋はクラウドファンディングを実現しようとしているのか?私は違うと思う。

映画専門のクラウドファンディングサイトとしては、すでにmotion galleryがあります。そして、独立映画鍋もここと「共同で寄付を募るサイトを運営・管理」すると書かれている。しかし、その意味が私にはよく分からない。

最初にあげた「ムラ感」「他人事感」と合わせて、ここに私のもう一つの疑問と違和感があります。

つまり、映画を作るために資金をクラウドファンディングしたいのであればmotion galleryを利用すればいい。あるいはそれが不十分で自分のサイトを新たに立ち上げたいのであればそうすればいい。共同で運営するとはどういうこと?

これが実情そのままか分かりませんが、現在の状況を見る限り、私には独立映画鍋がmotion galleryのシステムを利用し、その一部として、つまり一つのコンテンツでありレーベルのような存在としてその中に含まれているように見えます。

しかし、両者には大きな違いがある。motion galleryは、と言うよりも、クラウドファンディングというものは、草の根のソーシャル型募金システムみたいなものであって、誰もがそこに参加し、ある時はプロジェクトを立ち上げ、ある時はそれを支援し、

そしてシステムとしては可能な限りその参加への敷居を低くすることで、とにかくソーシャル的流通の盛り上がりを期待する。そしてその結果として、(言葉は悪いですが)彼らの成功の上前を上手にはねることで成立するものだと思っています。

私はこれはとっても素晴らしい発想だと思うし、現状を救うあらたなフォーマットとして機能しうると思う。いや、機能して欲しいと願っています。アメリカにおけるKickstarterの成功を見ても、同じ規模は無理にしても、日本でも十分に可能性のある発想だと思ってます。

しかし、独立映画鍋は、こうしたクラウドファンディングの仕組みとは全くかけ離れた存在であるように私には見える。まず、それに参加するには年会費として個人で8000円、団体で5万円も必要になります。そして、ここから企画を立ち上げるためには

どうやら多くの会員の支持や承認が必要であるように見える。(ここ間違ってたら教えて下さい。)これ、すごく敷居が高いですよね。独立映画鍋という組織に高いお金を払って所属し、その上で、その会員たちの承認も取り付けなければ自分の企画への資金提供を呼びかけることが出来ない。

これは新たなフォーマットでもシステムの変容でも何でもないです。実に昔ながらのニッポンの組織であり縦社会でありトップダウン型の命令系統、趣味の伝達体系、一言で言ってムラでしかないように私には見える。

もし、私が一風変わった、とても奇妙だけど同時に新しくて魅力的な発想を思いついたとして、それを元に映画を撮りたいと考えたとする。そんなとき、じゃ、独立映画鍋に高いお金を最初に払って所属して、その中で根回しして、お酒も一緒に飲みに行って、偉い人たちに気に入ってもらって、

その上で沢山の支持を取り付けて、それからクラウドファンディングでお金を集めよう、なんて思うでしょうか?いや、そんなの絶対にイヤです!そんな面倒くさい回りくどいことしたくない!

クラウドファンディングなんて、そういう面倒くさい手順やしがらみや作法から解放されるものであるからこそ魅力的なんじゃないですか!

一般社会から見ればものすごくヘンかも知れないけど、でもそれに賛意を示す人たちがインターネットやソーシャルを通じたコミュニケーションによって実は結構たくさんいるってことが分かったりする。そしてその輪を通じて、ある時は自分のプロジェクトを立ち上げ、ある時は賛同する相手に資金提供し、

そうした経済の循環を通じて、たとえばツイッター上で今の社会に対してただ言葉で愚痴を述べているだけの状態から一歩でも二歩でも先に進んでいこう、社会を明るく楽しい場所に変えていこうとすること。これこそがクラウドファンディングの根本的な発想であり理念であり新しさであると思う。

そこからすると、独立映画鍋の現在のありようは、こうしたクラウドファンディングの理念を歪めている、ないし裏切っているとも言えるのではないか。

いや、そういう強い言い方は相応しくないかも知れません。こう言い換えましょう。果たして独立映画鍋は楽しそうか?魅力的に見えるか?私には全然そう見えないのです。

でも、彼らも利用するクラウドファンディングって、本来すっごくワクワクさせてくれるものであった筈なんですよ!だから何と言うかなあ、もっと楽しそうで刺激的で、同時に敷居の低いシステム作りにまず荷担しましょうよ、と。そうしたフォーマットの変容にこそ賭け金を投じましょうよ、と。

その上で、映画にはまだまだ他に必要なことがいくらもあるというのであれば、そして私もそれは同意しますが、個別の問題として自分の責任においてそれをやればいいって話なんです。二つを同じにしてはいけない。順番を間違えてはいけない。それこそが今一番大切だと私は思う。

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2 Comments »

 
  • 笹川史郎 より:

    私は会員ですが、まったくその通りだと思います。
    映画を作るには60分のドキュメンタリーで制作費300万、宣伝広告費はその2倍、600万かかり、計900万はかかると、先輩の会員の方にのっけから言われ、やる気が失せました。

  • admin より:

    こんばんは。
    独立映画鍋さんには頑張って欲しいという気持ちがあるんですが、色々としがらみなどもあって難しいんでしょうね。人もリソースもたくさん集まってるようなので、もっと活発に活動していただきたいのですが。

 

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