TIFF2012 day1-3

237759860_640『檻の中の楽園』ドゥニ・コテ
スポイルされた(?)状況下にある「動物たち」の目に見えない感情を、その身体性の記録の中で詩的表現に高めていく作品で、『バルタザール』や『獣の血』の遙か末裔でありペドロ・コスタ以降に位置する、映像と音響による「まなざし」の省察でありレッスン。『カーリング』と基本的には同じ方向性だと思うけど、あれはmubiで見ちゃったので、この監督の映画はスクリーンじゃなきゃダメだと反省した。全体的に凄く面白い。個人的には、もう一つ踏み込んだところを見たいと思ったのも事実。

『マリー・アントワネットに別れをつげて』ブノワ・ジャコー
インタビューのために見直しました。

『ゴールデン・スランバーズ』ダヴィ・チュウ
朝からタッキーと話してイラッとして疲れた(笑)ので、なんかこの映画は集中して見れなかった。すいません。

『木曜から日曜まで』ドミンガ・ソトマイヨール
とりあえず、主人公の少女が川島海荷にそっくり。その彼女の視点と理解の範囲内でとらえられた家族旅行、そして彼らの現状の行き違い、心のずれ、わだかまり、危機と今後の予感がそこに重ねあわされる。いろいろセンスは良いので評価する人がいるのはわかりますが、その趣味とセンスの良さから勇気をもって一歩踏み出すことこそが、映画の真の始まりではないかとも思う。これはたぶん、結構多くの日本映画に対しても同じことが言えるのではないかと。

Mata-Tertutup『目隠し』ガリン・ヌグロホ
面白い!距離と奥行きを欠き、ゴミゴミと混乱し、色温度を間違えた錯乱したパッチワークとしての世界、表面としての世界、そうしたアジアやテロリズムに対する西欧からのクリシェな表現を逆手に取り、そこから自らのスタイルと世界=映画を見出そうとする試み。ラストショットに典型的にみられる熟達した映画的造形への配慮は、この作品をアヴァンギャルドな実験作以上のものとして観客にアピールすることにも成功している。

spring-breakers-615-1347078550『スプリング・ブレイカーズ』ハーモニー・コリン
方向性はエイフェックスの「Windowlicker」だけど、ああいうグロテスクではなく、徹底して無内容な甘さを極めようとした作品。それ自体、対象への批判だとは言えるでしょうが、そこに見所のある作品じゃないから、こういう話してもね。ハーモニー・コリンにしちゃ意外にストーリーもあるなあと思いつつ、いやあ、面白かった!

『シージャック』トビアス・リンホルム
シージャックされた船のとりわけ心理的な極限状況と、人質解放に向けて交渉を続ける会社社長の重圧や責任感を描いた作品で、アメリカンな展開やお約束、ダイナミズムは一切なく、かといってヨーロピアンでエッジなスタイルに見所ある作品ともいえない。あえて言えば、北欧的な質実剛健の心理的サスペンス映画でしょうか。ガッチリ作られている作品ですが、それ以上の面白さは正直あんまり。

『リアリティー』マッテオ・ガローネ
この中途半端なフェリーニ感、煮え切らない祝祭感覚、雑で薄汚い豪華絢爛ぶりは一体どうしたことだろうと、冒頭見ていて正直うんざりしかけましたが、なるほどそれは狙いだった訳ですね。映画の方向性が見えてきてからは落ち着いて見ていられましたが、それが映画として面白いと判断するかは観客に委ねられると思う。個人的に言うと、微妙。『キング・オブ・コメディ』ならぬ『キング・オブ・リアリティショウ』ってとこかな。まあ、やりたいことは分かるんだけどね。

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