『ショットガン・ストーリーズ』ジェフ・ニコルズ

shotgun-stories傑作!これは本当に素晴らしい!『テイク・シェルター』も素晴らしかったですが、それに先立つこの作品は、ジェフ・ニコルズが間違いなく次代のアメリカを担う特別な作家だと確信させる出来映え。

ちょうどBioshock Infiniteやったばかりで、その類似性にも驚きましたが、それはつまりアメリカの原型的な物語にこの作品が触れているからで、簡単に言うと、アメリカの理想とその背後の悲惨を体現した一人の父親から生まれ、同じ名字を持つ二組の兄弟たちが骨肉の争いを繰り広げる物語。

もう、これだけで最高の映画だって分かるじゃん!

アメリカ南部のアーカンソーという具体的な土地とその風土に深く根ざしつつ、同時にアメリカそのものの物語を描くという普遍性に達した作品で、それはまず、片方の兄弟たち三人の名前が「Son」「Boy」「Kid」だという事実にも端的に示されている。

つまり、父親から見放された棄児たち(犬に犬と名付けるようなもの)の物語であるという背景を感じさせつつ、同時に、これが全ての息子たちの物語であることがそこから明瞭に分かるわけですね。

土地に根ざした圧倒的な固有性=世界の匂いを濃厚に感じさせつつ、それが同時に普遍的な神話的物語の力をも持つこと。これこそまさしくアメリカ映画の深遠な力であった訳ですが、現在のアメリカでまだこれほどの作品が作られていたとは!正直驚き以外の何ものでもないです。

二組の兄弟たちの人物造形も素晴らしいし、様々な小道具(バンとかクーラーとか)や背景を利用しつつ、彼らの佇まいを端的に見せていく演出力も卓越している。殆ど西部劇のような風格ある神話的世界でありつつ、圧倒的な具体性を兼ね備えた現在のアメリカ南部でもある。

イーストウッド以降の映画は見ないとか言うような人にこそ見て欲しい作品ですね。いやあ、ジェフ・ニコルズは本当にすごいよ。最新作『MUD』も超楽しみ!

『ショットガン・ストーリーズ』予告編
http://www.youtube.com/watch?v=DZh6PrFW2lM

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