拡がりの話

昨日、ケシシュのパルムドール作はこれですっごく高くなっちゃっただろうね。映画祭前にどっか買ってたかなあ。あれだけプッシュしてたんだけどね。みたいな話を池田さんとしてて、その後の情報でどうやら事前にどこも買っておらず、映画祭後もまだ買われてないと聞いて酷くガッカリしてる。

どっか交渉中だったりするのかな?カンヌのパルムドール作だよ!これはもうシネクラブで、ってんじゃなくて、どこか配給会社が買って上映して欲しい!

日本で紹介されていないけど、絶対みんなに見て欲しいってアブデラティフ・ケシシュのような監督さんに対して、アンスティチュとかうちとかのシネクラブでできることは日本語字幕付けてフィルム上映するってこれが最上級です。商売なんてとんでもない。すっごい赤字で無償の情熱でやってる。

でも、カンヌでパルムドール獲ったんだから、それ以上のステップに進んで欲しいです。いや、進んだはず。それで値段が高くなって買えなくなったとかじゃ話がメチャクチャだ~!

だからこそ、アンスティチュとかうちのシネクラブとかは貴重な情報を発信してると認識される必要があるんです。良い意味で、ここに映画の未来、商売のチャンスを見つけてもらいたい。そこに先行投資することで全国レベルで育ててくれるような人や企業に来て欲しい。信頼して欲しい。

そのためには今回のような結果を私たちはきちんとアピールする必要がある。これは重要な話なんです。自分たちの足下しか見えていない、しかもそれが揺らいでいることにさえ気づいていない狭い視野の一部のシネフィルには残念ながら理解してもらえないことですが。

「赤字で無償の情熱」と書きましたけど、それは成功しなくて良いって事ではありません。むしろ逆です。成功しなきゃ続かない。未来の話ではなく、今既に目の前にある危機の話として続かないんです。だからこそ、私たちもそれなりの成功をする必要があり、その成功をアピールする必要もある。

シネフィル話というのは単に閉鎖的なオタクの高尚ぶった雑談であり既にオワコンってのが今どきの世間的認識ですよ。それに対してどうするか?もっとオイシイ界隈はどこかって探してホイホイ鞍替えすれば良いのか?

そうした効率的生き方を良しとせず、それでもそこには一定の守るべき価値があり、その理念を貫きたいと考える人間にとって、今この世界の中でシネフィル的価値に再び生命を与え、それをアップデートすることはとても大切な問題なのです。

シネフィル的価値には意味がある。そこには愛だけでなく、開かれた楽しさも、ビジネスチャンスさえある。私たちに必要なのはこうした拡がりです。そのためには、シネフィル的価値観を狭い意味での一部のシネフィルから解き放つ必要もあるでしょう。

映画を愛すること。それは時にとても苦しく厳しいことです。抽象的な意味ではありません。だって全然儲からないし、馬鹿にされたりもする。しかし、その先には楽しさもあるし未来も広がっている。ビジネスチャンスだってあるかもしれない。こうした希望をこそ分かち合っていきたいものです。

だってさ、ちょっと考えてよ。うちのシネクラブとかに来てて、パルムドール獲る前のケシシュやローラン・カンテ(これもやってた)に注目して日本での配給権を安く買ってた人がいたら、間違いなくそれで一儲けできたはずですよ!結構な確率で万馬券出してますよ!(笑)

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