試写日記081105

英国王給仕人に乾杯!本日、とてもショッキングな知らせが…。

おめでとうございます!
わたしも、とても嬉しいです。
でも、ショックですよ。
そっかあ…。
そうですよねえ。
寂しくなるなあ。
うーん、人生だ。

さて、
気を取り直して…、

試写日記×2

エラン・リクリス監督による『シリアの花嫁』。
この監督の作品を見るのははじめてだったのですが、なんだか普通に実力のあるベテラン監督の映画的にも見応えある力作って感じで、かなり面白かったです。
一つの結婚式を媒介としつつ、イスラエル統治下のゴラン高原に住む人々の苦悩と境界線の残酷さを描いた作品で、まあ確かに、岩波ホールで公開される映画って範疇を超えるものではありませんが、その中ではかなり良くできている部類だと思いますし、何より、ああ、映画見てるなって実感がありました。
お勉強してるって感じじゃなくて。

ただ、岩波ホールって、客層が実に特殊で、この日の試写会に来ていた人たちも、あれれ?この人たちって、岩波以外の映画館で映画とか見たことあるのかな?って、真剣にこちらを悩ませてくれるような人たちばかりが多数紛れていて、実際、私の隣に座っていたオヤジさんなんて、上映時間中、ずっと紙にペンをサラサラ走らせながら、その合間合間にボールペンをカチカチ言わせたり、紙をバサバサ言わせ続けて、何度かこちらの不快を伝えたりもしたんですけどね、一向に改善しようという気配がなかった。

つか、むしろうるさくなってたぞ、あれ。
なめられてたのかな?
そうだろうな。
くそう。

かと思うと、前に座っていたおじいさんなんて、上映始まるや否や、があがあイビキ立てて寝始めて、さらにはクライマックス直前になると突然すっくと立ち上がり、スクリーンの半分に自らの影を落としつつ、颯爽とトイレに向かったりするし。
おいおい。
あんたが半分遮って見えないようにしているそのスクリーンの映像は、この映画全体のラストショットってヤツだぞ。
信じ難いな。
これ、マスコミ向け試写会だったよなあ。
あっちょんぶりけだな。

イジー・メンツェル監督の最新作『英国王給仕人に乾杯!』。
もうね。
めっちゃくちゃ面白い!
皮肉と魅惑と辛辣さと陶酔と反感とユーモアがすべて同じことの別の側面なんだと実感させてくれるような、信じ難い傑作です。
イオセリアーニの『月曜日に乾杯!』みたいなタイトルですけど、こちらもまた、ルノワール化が著しいのが共通点。

上品だしなあ。
とことん、上品です。
裸もセックスもいっぱい出てくるんだけど、でも、上品なんだなあ、これが。
映画として上品ってのは、こういうことを言うんです。

一人の人間の数奇な人生を媒介に、一つの国の苦難の歴史をその背後へと浮かび上がらせていく語り口は、まあ、『シリアの花嫁』とも似た部分がないわけではないですけど、いや、これはさすがに比べちゃいけない。
格が違いすぎます。
ほとんどサイレント映画のように、たった一つの画面だけですべてを語り尽くしてしまうあたり、なんてすさまじい力量だろうか、と。
『グッドモーニング・バビロン』のタヴィアニ兄弟なんかも、こういうことがやりたかったんだろうなあ。
でも、ちょっとやそっとじゃ到達できないんだよなあ、この境地には。

東欧とか旧ソビエト圏で苦労した爺さんって、なんだか揃いも揃って教養あるし、人生の酸いも甘いも噛み分けたって感じで、人間としての奥行きを感じさせつつ、にも関わらずあくまで飄々とした姿勢を崩さない。
ホント、格好良いです。
こういう風に生きたいものだ。

あと、この作品の公開を記念して、イジー・メンツェル映画祭もやるみたいですよ。
『厳重に監視された列車』とか『スイート・スイート・ビレッジ』なんかを上映するらしい。
こちらも必見です。
むちゃくちゃ面白いから。

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