『サイモン・キラー』

『サイモン・キラー』(2012)アントニオ・カンポス:『マーサ、あるいはマーシー・メイ』のチームで撮られたもう一本の作品で、これまたいかにもデジタルエイジの映画探求って試み。焦点深度の浅い画面の中、精神的に不安定な主人公が世界とのつながりを求めるスタイリッシュな作品。

『ソーシャル・ネットワーク』スタイルのフィルムノワールと言って良いでしょう。監督カンポスと共に、主人公を演じた二人ブラディ・コーベットとマティ・ディオップが脚本を担当していることからも分かるように、親密な雰囲気を重んじつつ、その世界は徐々に均衡を失い緊張が高まっていく。

マティ・ディオップは、ジブリル・ディオップ・マンベティの姪で、『35杯のラムショット』に主演していた女優さんです。最近は監督としても有名で、映画祭で賞を獲ったりしてる。あと、『女っ気なし』のコンスタンス・ルソーも出てきますが、彼女は前田敦子に似てると思う。
あれは彼女の癖なのかな?見つめる両目がフラフラ揺れる感じをこの作品では上手く使っています。

アンバランスな精神を抱えた個人の内面に親密に寄り添い、世界とのすれ違いぶりを徐々に明らかにしていく最近の米インディー映画で顕著なこの作風は、ややもするとスタイル過剰が鼻につくことも多いですけど、この作品はそのあたりなかなかバランス良くて最後までかなり面白いです。

こういうの、日本映画でも誰かやりそうなんだけど、パッと思いつかない。クールでクレバーでモダンでハイセンスじゃないと駄目なんだけど、いかにもデジタル時代の映画って感じだし、まだまだ実験する余地がいっぱいありそう。面白いと思うよ。

『サイモン・キラー』予告編 http://www.youtube.com/watch?v=0mVsr3bNURA

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can skip to the end and leave a response. Pinging is currently not allowed.

コメントをどうぞ

XHTML: You can use these tags: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>