『ネイバリング・サウンズ』

neighbouring_sounds『ネイバリング・サウンズ』O Som ao Redor (2012)
監督:クレーベル・メンドンサ・フィーリョ

小さな区画に住む様々な人々とプチブル家族の(終盤まで何も起きない)日常を、音の交錯、干渉、消失、氾濫の中でオーディオ・ビジュアルに描こうとする超意欲作。発想がきわめてブリリアントであり、現代映画ファン必見!

スタイル的には、ホセ・ルイス・ゲリンを想起させるエッジのきいたモダンで審美的な部分とマッテオ・ガローネなどを思わせる比較的通俗な長屋ドラマが折衷的に用いられている。一つの作品の中で両者がうまく溶け合っているかはやや微妙だが、処女作でもあり今後を期待させるのは間違いない。

都会の騒音、セキュリティ、近所付き合い、経済格差、人々の間に横たわる無関心と苛立ち、不意に出現する悪意や暴力など、きわめて現代的テーマが物語映画における説明とは全く異なる方法で描かれているのも素晴らしい。こういう発想は、日本でこそ生まれてきて良かったと思うんだけど。

クレーベル・メンドンサ・フィーリョは映画批評家出身で、『ネイバリング・サウンズ』が長編処女作。アカデミー外国語映画賞のブラジル代表に選ばれたほか、各国映画祭で多数受賞するなど批評家から絶賛されている。NYタイムズ2012年の年間ベストテン第9位にも選ばれている。

『ネイバリング・サウンズ』予告編 http://www.youtube.com/watch?v=yeDOSDOs2X0

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