『ショート・ターム12』

ShortTerm『ショート・ターム12』デスティン・クレットン:去年のSXSWで最優秀作品賞と観客賞を受賞した作品で、とっても良くできてる。こういう映画はちゃんと普通に公開されてヒットして多くの人に語られなきゃいけない。社会的弱者や問題に寄り添う眼差しの繊細さとか文化的な成熟度とか。

家庭内暴力などから少年少女を保護するシェルターの物語で、そこで働く職員もまたその施設の出身であるって所から様々なドラマが生まれる。傷ついた心の物語だけど、例えば施設から一歩でも出たら職員は子供に触れることができない厳格なルールがあって、その対比が映画的に面白い。

アメリカ的な集団性や厳格なルール、プロフェッショナリズム(ホークス!)と個人の傷ついた心の内側が対比的に(と言うことはつまり、過度にウェットにならず過度に堅苦しくならない)表現されていく訳で、こういう脚本作りとか演出とか殆ど教科書的に参考になると思うな。と言うか、学んで欲しい。

『17歳のカルテ』に似た部分もある、家庭環境と大人による性的暴行に傷ついた子供たちの映画だけど、マンゴールドのようなシネマティックな瞬間はあまりなくて、そのかわり上記のルールとか職員と子供たちの時間的奥行き(彼らもまた傷ついた子供)を伴った物語構成と感情の流れが卓越している。

テーマの重要性を含む文化的成熟度や脚本作り、物語との距離の取り方、演技の質など現在のアメリカインディー映画の質の高さをよく表した一本だと言うべき。何度も言うけど、これは本当に普通に公開されて、普通に色んな人から褒められるべき映画。たぶん数年後にはそうなると思うけど…

『ショート・ターム12』(デスティン・クレットン)予告編 https://www.youtube.com/watch?v=H8QxAYxNRgs

『ショート・ターム12』ポスター画像。ほら、超見たくなるでしょ?その直感は当たりだよ!
https://twitter.com/one_quus_one/status/446571712662892544/photo/1

今の画像は、精神的に壊れちゃった自閉症の少年がアメリカ国旗をスーパーマンのマントのようにまとって叫びながら飛び出していくけどシェルターの敷地外にまでは走り出ないって場面で、この画像だけでも自国の現在が抱える問題と正面からチャンと向き合ったアメリカ映画だって分かるよね。

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