シネクラブ5周年

cineclub0901241月24日のシネクラブにお越しくださった方々、どうもありがとうございました。
クロード・シャブロル『マスク』の上映はもちろん、青山真治監督にゲストとしてお越しいただいたトークの方も、かなり充実した内容になったのではないかと思います。

トーク、ほぼ2時間喋りましたか?
楽しかったので、そんなに時間経っているとは全く感じなかったのですが。
演者側からの一方的な感想ばかりではなく、今回、5周年となったシネクラブを取材しに来てくださった記者の方からも、同じような感想をいただきました。

ところで、今回もまた、事前の打ち合わせなしにぶっつけ本番でトークを進めていったのですが、青山監督とは同世代ということもあり、また、映画という同じ場所に基点を置きつつさまざまなことを経験したり思考してきたということもあって、毎度ながら、不思議なほど話が通じたように思います。

不思議なほど話が合いつつ、しかも、不思議なほどクッキリとそれぞれのカラーが出ていたのではないかと。

長く同じような場所にいて、同じようなものを相手に、社会を相手に、世間を相手に、年長者を相手に、若者を相手に、同世代を相手に、あれこれ考えたり、話したり、共有したり、闘争したり、高揚したり、徒労感を感じたり、不毛になったり、厭世的になったり、もう何でもいいやと思ったり、いやもうちょっとだけ頑張ろうと思ったり、でもやっぱり挫けそうになったり、と、そんなことを繰り返して生きてきていると、若い頃には表面を覆っていた様々な殻とか外皮とかが良い具合に剥けてきて、お互い人間として持っている根っこのような部分で相手をそのまま受け止めることができるようになってくる、と言うか、ごくごく自然に相手のことを理解することができるし、ごくごく自然にそれぞれの違いもまた見えてくるのではないかと思います。

共闘するとか、独自色を出すとか、敢えて違いを際だててみるとか、そういうパフォーマンスとは全く違った部分で、これは何と言うか、時間だけが熟成しうる何かをお互いの間に感じ取ることができるのではないかと思うのです。
天使の分け前でしょうか(笑)。
そんな感じで、お互いの樽の中に生じたいくらかの隙間によって会話が成立していたような、そんな印象もまた持ちました。

2月と3月は、藝大入試のため会場を使うことができず、次回シネクラブの開催は4月になります。
内容は、今回参加された方々にはチラッとだけお知らせしましたけど、まだ正式決定ではないので、もろもろクリアした後、あらためてここでも告知させていただこうと思っています。
今回はシネクラブ5周年記念でしたが、次回は、シネクラブ50回記念です。
よろしくお願いします。

それと、新聞の取材の件ですが、近々、記事として載せていただけると思います。
今日もまた、その追加取材で、あれこれ喋ってきました。
シネクラブのこととか、映画批評のこととか、80年代の話とか、この5年で何がどう変わってきたかとか、そういう感じの話。

自分の好きな映画、愛している作品を他人に見てもらいたいと思う、そのためには、何を話せばいいのか、どういう話し方をするべきなのか、何をするべきなのか、何を身につけるべきなのか、どこにアピールするべきなのか、自分の何をどう変えていくべきなのか、こういうことを考え、具体的に実行していくのが、個人的には年を追うごとに重要になってきています。
自分だけが知っていることを気取って口にしてみたり、他人が知らない見てくれないと言って大げさに慨嘆してみたり、それって、実は本人が気持ちいいだけであって、映画のためには益するところが全くないと思う。

とは言え、じゃあ、誰もが同じように語ればいいかというと、それもまた違うのであって、作品やそれを伝えるべき相手やその人の性格や向き不向き、様々な状況などに応じて、それこそ無数の立場や切り口、語り口、態度やあり方や生き方の違いが生じてくると思います。その様々な違いをごく自然に受け止めることこそが、何より重要なのではないでしょうか。

シネクラブのトークでも話しましたけど、あの人がいて、あの人もいて、あの人があんなことをやっていて、それでわたしもいて、その全体によって映画という場は成立しているんだと思うのですよ。
その全てが重要なのです。

それと、当日来ていただいた方に質問されたのですが、このブログ、トラックバックは切ってありますけど、コメントは一応付けられるようにしてあります。
ただ、昔掲示板を荒らされたりとか(笑)いろいろあって、やや敷居を高くしてありますので、その点はご了承ください。

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本日の検索語:
「drugstore 服 好き」
は~い。
服、好きですねえ。
金使ってますねえ。
もともとは黒が基調でシンプルな服が好きだったのですが、そこからゴージャスとか民俗調に振ったところでドリス・ヴァン・ノッテンにはまったり、ニールとかビッケンバーグのマッチョな感じを部分的に取り入れたり、やんちゃでロックな感じが気に入ってルメールに傾倒したり、ステファンのさっぱりシンプルに回帰したり、最近ではウテ・プロイアーなんかをちょこちょこはじめてます。
持ち服のカラーを統一した方が、絶対コーディネイトが楽になるんですけど、でも、気分に応じて服変えたいじゃん。

「たまに シャブロル」
はい。
やります。
シャブロル、たまに。
青山監督にも、シネクラブ30年続けて、気がついたらシャブロル全作品上映していたとか、そうなって欲しいと言われましたし。
頑張りますよ。

「焼酎 髭」
えっと、やや意味不明なんですが(笑)。
髭とボインとか?
月亭可朝とか?
どう展開すれば良かったでしょう?

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2 Comments »

 
  • okada より:

    大寺さん

    先日はシネクラブで色々良い話をありがとうございました。
    (90年代の映画シーンについて質問させて頂いた者です)

    「マスク」の素晴らしさもさることながら、お二人の掛け合いに色々感じいることが多く、
    あの場に居合わせることができて良かったなと思いました。

    90年代の終わり頃、シネセゾンでやっていたオールナイトやら、「いとこ同志」のリバイバルやらから
    映画を深く見るようになった私にとって、お二人が90年代は映画に対して距離を持っていたと
    いう話はかなり衝撃でしたが、同時に、それぞれの世代の映画との関わり方が、
    折り重なるように流れていっているんだなということを感じられたのが印象的でした。

    渦中にいるときは気づかなくても、ふと振り返るとゆるやかに重なっている、流れている感触があるものなのだな、と。

    私は「buku」の文章を読んで、「映画に対して自分の中でもやもやとしていたことを、
    こんなに明確に言葉にできる人がいるんだ」とびっくりしたところからこのブログを読んだり、
    シネクラブに行き始めたのですが、そういった意味ではブログに書かれていた「何を話せばいいのか、
    どういう話し方をするべきなのか、何をするべきなのか、どこにアピールするべきなのか」ということは、
    確実に影響は出始めているのではないかと思います。

    これからも、「サイコ」を見ていない若者のために、
    それからまだまだ傑作を見足りてない私達のために色々とよろしくお願いします。

    長々と失礼致しました。

  • admin より:

    >okadaさん
    コメント、ありがとうございます。
    シネクラブの方も、ご来場ありがとうございました。
    90年代は、日本全体の状況としても、バブル崩壊以降の複合不況によって特徴付けられる時代だったと思いますが、個人的にもほぼ全く「失われた10年」だったと思います。
    当時住んでいた家からごくわずかの場所にオウム病院があったという事件によっても、まだ目が覚めませんでしたが、メヌエルを煩ったあたりをピークに、徐々に社会復帰できたように思います。
    これから先、同じことを繰り返さないようにしないと。
    「buku」では、実は「もやもや」を「もやもや」のまま肯定するような文章と、それを「明確に言葉に」する文章との間の揺れ動きみたいなことを最初は考えていたのですが、どうもわたしは左脳ばかりが強すぎるみたいで、続けて行くに従って、どんどん「明確」路線に落ち着いてしまったようです(笑)。
    まあ、そちらの方が第三者的に評判も良いみたいなので、それで良いのかな、とも思いますが。
    これからも、よろしくお願いします。

 

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