試写日記090509

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試写日記×5

P.J.ホーガン監督の…、という枕にあんまり意味があるとは思えないので、ここは思い切って、ジェリー・ブラッカイマーが趣向を変えて『プラダを着た悪魔』の二番煎じを狙ってみた『お買いもの中毒な私!』

原作は「レベッカのお買いもの日記」というシリーズで、わたしは全く読んだことありませんけど、よく売れているみたい。
「なんて都合の良い女の子の頭の中!」と思わず考えてしまうのは、多くのハリウッド映画に対して「なんて都合の良い男の子の頭の中!」と思わず考えてしまう女性が多いことの裏返しでしかありません。

…が、それは共に間違いでもありません(笑)。
ブラッカイマーも、やっぱ、したたかなヤツじゃわい、って感じがするのは、そこで嫌みとかシニシズムを一切見せないところでしょう。
ここ、学ぶべき点です。

あと、主人公の女の子は、どうにも「王様のブランチ」とかに出ていそうなタレントさんだなあ、という印象が最後まで抜けなかったのですが、その友人を演じていたクリステン・リッターという人がかわいかったです。
ジョーン・キューザックとかジョン・グッドマン、ジョン・リスゴー、クリスティン・スコット・トーマスといった良い役者さんたちが脇で出ているので、もうちょっと活躍を見たかったかなあ、と。
中身とパッケージがほぼ一致している作品なので、コマーシャルとかポスター見て興味を感じたという人は見に行って損しません。

ピクサーのジョン・ラセターがディズニー・スタジオのチーフに就任して放った第一弾『ボルト』

簡単に言って、犬を主人公にしたアニメ版『トゥルーマン・ショー』ですね。
面白いです。
『トゥルーマン・ショー』が面白かったのは、要するに、現代メディアの問題とかリアリティ・ショーと現実といった問題を背景にしながらも、それらを古典的なビルドゥングス・ロマンとして見事に落とし込んでいた作劇術のうまさにもあったわけですけれども、この『ボルト』でも、そこで成功したフォーマットが見事に活用されています。
この辺の王道ぶりが、やっぱアメリカって感じですね。
好きです。

関係ないですが、この映画の上映中、隣に座った女性がずっと携帯でメールのやりとりをしていて、その液晶の明かりが邪魔になって仕方なかったです。
さすがに途中で注意してやめてもらいましたけど、ああいう人って、いったい何をしに映画館に来てるんでしょうね。

あ、それと、これは逆に注意する側の人への注文ですけど、注意するサイドって、相手より立場として上なんですから、あくまで落ち着いて大人の態度で穏やかに相手の行為をたしなめてあげればいいと思うんです。
よく映画館とかで、あれ、たぶんギリギリまで我慢したあげくなんでしょうね、いきなりぶちぎれて喧嘩腰で誰かを怒鳴りつけたりしている人を見かけますけど、いやいや、逆にあなたがうるさいですから(笑)、周りに不快感を拡げてますから。
勝ってるときこそ、キレイに勝つことが大事。
ヒステリーは、敗者のためにとっておきましょう。
大人の余裕って、いつから美徳として尊重されなくなってしまったのかと。

『フロスト×ニクソン』が公開されたばかりのロン・ハワードの新作『天使と悪魔』
『ダ・ヴィンチ・コード』の続編ですね。
ロン・ハワードとしては、そつなく仕事をこなしたって感じでしょうか。

2007年作品なのに、なぜか今まで公開されなかったジェームズ・マンゴールドの新作『3時10分、決断のとき』

もうね、これ、メッチャクチャ面白いです!
なんで、これをすぐ公開しないかなあ。
『ウォーク・ザ・ライン』のマンゴールドですよ!
『アイデンティティー』の監督ですよ!
『17歳のカルテ』撮った人ですよ!

あ、そうだ。
これ、マンゴールドについて書くとき、これから毎回かならず言っておくことにしようかと思いますけど、おそらく、日本で最も早くからジェームズ・マンゴールドとジョナサン・モストウに対して大がかりに注目していたのが、うちのサイトです。
自慢じゃありませんけど、あ、いや、自慢ですな。
自慢、自慢。

とりわけ、ジェームズ・マンゴールドの方は、ほぼ同年代ということもあって、なんだかすごく親近感あるんですよね。
考えていることがよく分かるというか。
そうそう、こういうのやりたいんだよね、という。
あ~、わかるわかる、という。

『コップランド』の監督ですよ!
しかも…
(一拍おいて)
ウェスタンですよ!
エルモア・レナード原作ですよ!

まあ、タイトルだけで分かる人は分かると思いますが、デルマー・デイヴィスのリメイクなんですよね。
そうそうそう。
わかるなあ。
これ、やりたいよね~。

いや~、でも、ホンッとに面白い!
次から次へと別のジャンルで作品作るあたりも、いやあ、わかるなあ、と。
青春映画に刑事物にラブコメにヒッチコックに、そんでもってウェスタンでしょ。
しかも、どのジャンルで映画撮っても、見事に形式踏まえているし、うまいし、それ以上に、しっかり彼の映画になってる。
<『許されざる者』以来、最高のウェスタン>という惹句は、まったく誇張でも何でもありません。
本当にそう。

悪役に一番良い俳優(ラッセル・クロウ)配するあたりも分かってるし、チラッとだけ出てくる本当に悪いやつの撮り方もものすごく上手い。
単に悪いと言うんじゃなくて、こいつ、人間としてダメってあたりの感じの出し方ね。
こいつ、ダメ。
人間として相手するに値しない、って、こちらが一瞬で理解できてしまうような強い印象をスクリーン上で描くのが本当に上手い。

こういうの、自分の人生そのものから汲み上げてきた感覚じゃないかと思いますね。
映画に由来するってんじゃなくて。
だって、いますもん。
こういうやつ。
リアルでも。

いや、メッチャクチャ面白いですって!
必見ですから!
8月8日から新宿ピカデリーで公開だそうです。
いや、もっと拡大ロードショーしてくれ~!

他にも、この作品については、あれこれ書きたいことがいっぱいあるんですけど、勢いだけで半端に書いてしまわず、どっかでちゃんと書いておきたいなあ、と。

見に行きましょう!
激しい憎悪といびつな関係と複雑な感情がもつれ合った、それでいて、見事にウェスタンの形式を踏まえたとんでもない傑作です!
はじまって30秒で心を鷲づかみにされますよ!

あと、オフィシャルサイトで、オリジナル版の予告編を見ることができます。
http://www.310toyumathefilm.com/
必見!

役所広司が主演に加えて、はじめて監督も手がけた『ガマの油』

『ニンゲン合格』だったり、『ユリイカ』だったり、『ドッペルゲンガー』だったりして、…って、それは決して皮肉で言ってるわけではなくて、それはそれで面白くなりそうな場面も多々あったりするんですが、初監督作品としては、正直、難しいことにチャレンジしすぎているように思います。

芯がない。
あるいは、それが見えてくるのが遅すぎる。
芯がない映画の面白さというのも、もちろん一方であるんですけれども、それはちょっとレベル的に高度なものじゃないかと。

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