TIFF09 3日目

東京国際映画祭も、今日で3日目。
はじめて正式名称書いてみました(笑)。
映画祭もまっただ中という感じですが、めぼしいものは今日明日あたりで一通り済んでしまいそう。
やや寂しいですね。

朝起きて、いつものようにマスコミ向け上映22日分のWEB予約。
これ、自分がまず予約しない作品に限って満員になるのが笑えます。
今日の場合、ジュゼッペ・トルナトーレ。
まったく興味ないですから。
あと、既に一般試写が回ってる日本映画とか、トム・フォードの映画とか。
いや、そりゃトム・フォードがセールやるって話なら、映画一本くらい付き合ってあげても良いですけどね。

六本木に到着。
今日は横浜元町ポンパドウルのパンを昼食に選びました。
昨日と同じ場所で東京タワー見ながら食べてたら、雀が集まってきたので、集まりすぎない程度にちぎっては投げ、ちぎっては投げ。
そうこうするうちに、女性連れの外国人観光客にカメラ頼まれてしまったので、そこでランチは終了。
ま、パンだからいいや。

7本目。
映画祭通算のナンバリングにしました。
ケン・ローチの新作『エリックを探して』。

エリックとは、エリック・カントナのこと。
ま、カントナ自身は現役引退後、半端に役者の仕事やってたりもしますけど、ここでは本人役で出演しているのがポイントです。
物語としては、『パリ・テキサス』のハリー・ディーン・スタントンみたいなダメ男が、妄想のカントナに励まされながら元妻のところへ戻って行く話。

もうね。
野卑なものの固まりですよ(笑)。
もちろん、良い意味で。
シンプルだし粗野ですけど、そこでできることの全てを最高のレベルでやり遂げているような作品です。
メッチャクチャ素晴らしい!
泣きました。

つか、泣くよ、これ。
これ見て泣かない人って、人間としてどうかとさえ思うな(笑)。
ホセ・ルイス・ゲリン見て心動かされないような人間は、映画のセンスが欠落しているんじゃないかと思いますけど、一方、ケン・ローチのこの新作見て心揺り動かされないような人間とは、個人的に友達になれないと思います。

カントナがすっげえ高そうな金の時計を付けてました。

8本目。
『双旗鎮刀客』のハー・ピンによる中国製時代劇、と言うか、マーボー・ウェスタン『麦田』。

これまた、とっても面白いです。
立派だし、立派になりすぎないあたりも謙虚でよろしいし、黒澤明だし、そこそこ今っぽいし。
とにかく、面白いと言うに尽きる!
『レッドクリフ』よりも、『グラディエーター』よりも、『麦田』の方がずっと面白かったですね。
こういうのは、ちゃんと公開されて、ちゃんとヒットして欲しいなあ。

主演の范冰冰様がたいそうおうつくしゅうございました。
ありがとうございました。
あと、脇役でほっしゃん。が出演していたとしか思えません。

9本目。
ジャック・リヴェットの最新作『小さな山のまわりで』。
(因みに、これ見たため、見に行くと約束していた他の作品に行けませんでした。ごめんなさい。)

メッチャクチャ素晴らしいです!
そればっか書いてる気がしますけど、本当なんだから仕方ないじゃん。
あまりにも透明で、あまりにも完成された傑作中の傑作!
絶対必見!
と言うか、これ見てない人はダメですね。

『Mの物語』の時にも話しましたけど、って、これたぶん「現代映画講義」のリヴェットの回に収録されてると思うんですけど、とにかく、今のリヴェットは『美しき諍い女』の頃の自作をちょうど裏返したような作品を作っていると思います。

簡単に言うと、幽霊を現世へと連れ戻す試みですね。

「小さな山のまわり」で順列組み合わせが次々に連鎖していくのは、今も昔も変わりないのですけど、そこで負の中心としての「山」がその不在によって全てを支配していたのがかつてのリヴェットであったとするならば、現在のリヴェットは、そうした不在の渦をちょうど逆方向へと回転させることによって、全てを晴れやかな肯定の光(「動いていれば、いつかまた会える」という確信)の下へと引き出すような作品を作っているのだと思います。

でね。
それがまた、なんだか不思議なまでに、ストローブ&ユイレを思い出させたりもするんですよ。
リヴェットとストローブなんて、ほぼ全く異なった映画作家であったはずなのに。

登場人物の一人であるイタリア人の楽天性が、そうした印象を強めているのかも知れません。
あるいは、長い道のりの末に到達した巨匠の境地ってものがそこにあるのかも知れません。
いずれにしても、あまりにも厳しく、あまりにも穏やかで、あまりにも全てがいい加減で、あまりにも全てが完璧に統御された世界の姿が、そこにはあります。

10本目。
マフムト・ファズル・ジョシュクンなる監督によるトルコ映画『二つのロザリオ』。
ロッテルダム国際映画祭で最高賞を受賞した作品らしい。

大傑作ではないですが、これまた悪くないです。
面白い。
大きな期待もなく何の気なしに見て、結構良い気分にさせてくれるような映画。
いわゆる拾いものってやつですね。
去年からのこの映画祭の傾向ですが、このクラスの作品がかなり充実していて、それはとっても好ましいことだと思います。

イスラム教の朗唱師とキリスト教の尼僧が出会って、恋に落ちて、でも二人はとってもシャイな上に聖職者でもあって、というような感じの作品。

なんだろう。
ニューシネマって感じかなあ。
ハル・アシュビーとか、そのあたり。
主人公たちをやさしく見守る、ワケありの初老の男性が登場するのですが、これがまたアート・カーニーにしか見えないし。

絶対必見とまではオススメしませんが、見ると気分良くなれますよ。

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