試写日記100123

ジャック・ロジェのヴァカンス、本日1月23日(土)上映開始です。
渋谷ユーロスペースに駆けつけましょう!
http://www.rozier.jp/

今週分の試写日記です。

『噂のモーガン夫妻』
ヒュー・グラントとサラ・ジェシカ・パーカーが夫婦役で共演。
監督は、ヒュー・グラントものばっか撮ってる印象のマーク・ローレンス。
ヒューさまものとしては、標準的な作りに標準的なストーリー、標準的なギャグで標準的な出来映えとなろうかと思われます。
ヒュー・グラント好きだから、わたしはそれでも楽しいけど。
熊のギャグとか、アイヴァン・ライトマンくらい広げても良かったのでは。
サム・エリオットとメアリー・スティーンバージェンが夫婦役で出てきて、とても良い。
と言うか、メアリー・スティーンバージェンがとても良い。
撮影のフロリアン・バルハウスって名前、もしかしてと思ったら、やっぱりミヒャエル・バルハウスの息子さんなんですね。

『ラブリー・ボーン』
ピーター・ジャクソンが、おそらくセシル・B・デミルのラインをさらに強く意識的になぞった一作。
あれこれ書き始めると、うっかりあれこれ口走りそうなので(笑)、まあ、やめときましょう。
主役の少女を演じたシアーシャ・ローナンが大プッシュのようですけど、正直、シルヴィ・テスチュと見分けが付かない。

the-hurt-locker-movie-poster『ハート・ロッカー』
キャスリン・ビグロー、久々の新作。
と言うか、『ハートブルー』以来、本当に久々の会心作!
イラクを舞台にした現代版『肉弾鬼中隊』に、ビグローお得意である「血の物語」、つまり、何かに憑かれた男の宿命=物語を絡め、全編タテノリで爆走したような作品です。
発想はものすごくシンプル。
それにしても、この人は、本当に空間の捉え方が素晴らしい。
『ニア・ダーク』や『ブルースチール』のゴシックで後をひく粘着質の世界観も素晴らしかったですが、『ハートブルー』では波、そしてこの作品では全編のど元まで砂埃に埋め尽くされたような見事なアクション空間を作り出していて、その圧倒的な物質的存在感に触れるだけでも、『ハート・ロッカー』を見る価値は十分あると言えるでしょう。
素晴らしいです。
面白い!

『コララインとボタンの魔女3D』
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のヘンリー・セリックによる人形アニメ。
実際にミニチュアを製作しストップモーションで撮られたゴス童話の世界という基本フォーマットは同じですが、それを3Dで撮影することによって、きわめてアナログ感を強く残したちっちゃな箱庭世界に自分が招き入れられた印象を感じることができます。
こういうのも、3Dにとてもあってる。
楽しいです。
子供いたら、こういうの見せたいとか思うだろうな。
もちろんフィギュアもペンケースも買ってあげるさ!
いや、自分が欲しいんですが(笑)。

up_in_the_air『マイレージ、マイライフ』
『JUNO』のジェイソン・ライトマンによる新作。
今回は、お父さんのアイヴァン・ライトマンもプロデューサーとして名前を連ねてますけど、この人は2世とか全く関係なく、インディーズ出身で大いに期待されつつハリウッド入りした新人監督という枠で、順調にキャリアを伸ばしている感じです。
ハリウッドの伝統的なフォーマットに、今のリアルな生活感を加味しつつ、皮肉を効かせた人間ドラマとして仕上げるという、最近のサンダンス映画の延長線上にある作品だとは思いますけど、でも、確かにとっても良くできてる。
面白いです。
ジョージ・クルーニーは、それにしても、新しい才能をいち早く探してきて、自分のネームバリューによって先行投資しつつ、それを自らの力にもつなげていく辺りの嗅覚と行動力が素晴らしい。
ブラピなんかにも影響与えてる部分だと思いますけど、こういうのって本当にアメリカの映画俳優のみが備えてきた美徳だと思いますし、いわゆるベンチャー精神って奴やつにもつながるんでしょうね。
素直にうらやましいですし、素晴らしいことだと思います。

moon『月に囚われた男』
デヴィッド・ボウイの息子、ダンカン・ジョーンズの監督デビュー作だそうです。
ボウイの息子って話題性と、チラシの60年代風ビジュアルなんかをあわせて、またまたSF映画の設定のみをキッチュに引用したオサレ映画なのかな、とか思って見に行きましたけど、これがびっくり、意外にちゃんと作られた、正統派の月面ものSF映画でした。
『サイレント・ランニング』みたいな感じ。
いや、面白いですよ。
面白かった。
もちろん、「Space Oddity」なんかのイメージを利用している部分はあるでしょうが、それは息子としてやって良いことだと思いますし、別に寄りかかって作られているわけではありません。
作品単体として、その内部できちんとストーリーも情感も構築されてる。
と言うか、普通に良くできてるんだよなあ。
具体的に書くとネタバレになっちゃうので控えますけど、月面ものでありがちな、宇宙空間の闇を奥へと誘う深遠さとして描いた作品群とは異なり、それを横へと誘う永遠として描いた辺りが、この作品の今っぽさになるのではないかと思います。
オチのつけ方もキレイ。

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